アスベスト作業着の規定を解説レベル別に納得の防護対策

日本被服工業株式会社
お役立ちコラム
アスベスト作業着の規定を解説レベル別に納得の防護対策

アスベスト作業着の規定を解説レベル別に納得の防護対策

解体や改修工事の現場でアスベストを扱うとき、どんな作業着を選べばいいか迷ったことはありませんか。石綿障害予防規則では、作業レベルに応じて防護服の種類や着脱の手順まで細かく定められています。この記事では、アスベスト作業着の規定をレベル1〜3別に整理し、令和2年改正のポイントや廃棄までの流れをわかりやすくまとめました。

アスベスト作業着の規定まとめ|レベル別の要件と現場ルールを一覧で確認

アスベスト作業着の規定まとめ|レベル別の要件と現場ルールを一覧で確認

アスベスト作業に関わる作業着の規定は、石綿障害予防規則に基づいており、作業のリスクに応じた防護具の着用が義務付けられています。よく耳にする「レベル1から3」という区分は、石綿障害予防規則の条文中に「レベル」という言葉として明記されているわけではありませんが、厚生労働省の通知や石綿対策ガイドラインなどで整理・普及している分類として、現場で広く使われているものなんです。まずは全体像をつかんでおくと、現場での判断がぐっと楽になるでしょう。

下の表に、レベル別の防護服の種類、使い捨てかどうか、代表的な対象作業の目安をまとめました。

区分 対象作業の目安 防護服の種類 使い捨て
レベル1 吹き付けアスベストの除去 密閉型・気密性の高い保護衣 原則使い捨て
レベル2 配管の保温材・耐火被覆材の除去など、飛散リスクが中程度とされる作業 防護服(不織布タイプ) 使い捨てが基本
レベル3 スレート板や成形板などの除去など、飛散リスクが比較的低いとされる作業 通気性のあるタイプも含めたJIS T 8115タイプ5同等品以上のフード付きつなぎ型防護服が基本(発じんが小さい場合は専用作業衣でも可とされ、作業方法によりレベル1・2同等の非通気性防護服が必要になる場合も) 原則使い捨てだが、作業方法や粉じん付着状況に応じて選択可

この表を目安にしながら、次の章からそれぞれの理由や具体的な選び方を詳しく見ていきましょう。
なお、アスベスト関連作業で着用する防護服にも、アスベスト 作業着 規定としていくつかの決まりがあります。レベル1・2では、原則として使い捨てタイプのJIS T 8115タイプ5同等品以上のフード付きつなぎ型保護衣を使用し、隔離された作業場から退出するごと、または著しく汚染した場合には特別管理産業廃棄物として適切に廃棄する必要があります。一方レベル3では、発じんが大きい場合は同様の保護衣を、発じんが小さい場合は専用作業衣の使用も認められており、いずれの場合も粉じんの付着状況などに応じて、廃棄するか洗濯・管理するかを適切に判断することが求められます。作業着一つとっても、選び方を間違えると健康被害につながる恐れがあるため、初めて現場に入る方こそしっかり押さえておきたいところです。

ロゴ

アスベスト作業に専用の作業着が必要な理由

アスベスト作業に専用の作業着が必要な理由

アスベストは目に見えない繊維状の物質で、吸い込むと肺に沈着し長い年月をかけて健康被害を引き起こすことがあります。だからこそ、専用の作業着で体を守ることが欠かせません。ここでは規則の背景と最近の改正内容を確認していきましょう。

石綿障害予防規則で作業着が義務づけられている背景

アスベストの繊維はとても細かく、一度飛散すると呼吸によって肺の奥深くまで入り込んでしまいます。長期間の潜伏期間を経て中皮腫や肺がんを引き起こすリスクがあるため、厚生労働省は石綿障害予防規則によって保護具の着用を義務づけています。
専用の作業着は、繊維が皮膚や衣服に付着するのを防ぎ、事業所や自宅への持ち出しを防ぐ役割も果たします。普段着のまま作業をしてしまうと、知らないうちに家族にまで繊維を運んでしまう可能性があるのです。
厚生労働省 石綿障害予防規則にも、保護具の使用が具体的に定められています。作業着選びは単なる身だしなみではなく、命を守るための必須装備だと考えてみてください。

令和2年改正で何が変わったのか

令和2年の石綿障害予防規則改正では、事前調査の義務化や記録の保存期間の延長など、事業者に求められる責任がより重くなりました。作業着に関しても、レベルごとの防護服の選定基準がより明確に示されるようになっています。
改正前は現場の判断に委ねられていた部分もありましたが、改正後は防護服の性能や交換のタイミングまで踏み込んだ運用が求められるようになりました。特に小規模な改修工事でも規制の対象になるケースが増えているため、注意が必要です。
建築解体・改修事業者にとっては、これまで以上に装備の見直しと運用フローの整備が欠かせなくなったといえるでしょう。

作業レベルごとに必要な作業着の種類

作業レベルごとに必要な作業着の種類

アスベスト作業の防護服は、飛散リスクの高さに応じて、業界やガイドラインで用いられる慣例的な分類としてレベル1から3に分けられています。ただし、これは石綿障害予防規則で正式に「レベル1~3」という名称で定められているわけではない点に注意しましょう。アスベスト作業着の規定を考えるうえでは、こうした分類の性質を理解しておくことが大切です。それぞれのレベルによって求められる防護性能が異なりますので、使い捨てが推奨されるケースも含めて、順番に見ていきましょう。

レベル1(吹き付けアスベストの除去)に必要な防護服

レベル1は吹き付けアスベストを除去する作業で、飛散リスクが最も高い区分です。そのため防護服も気密性の高い密閉型が求められ、フードや靴カバーが一体となったタイプを使うのが一般的です。
作業中は高濃度の粉じんにさらされる可能性があるため、防護服の縫い目や継ぎ目からの繊維侵入を防ぐ設計が重視されます。呼吸用保護具や手袋との組み合わせで、体のすき間ができないようにすることも大切なポイントです。
レベル1の現場では、防護服は基本的に使い捨てとし、一度でも汚染区域で使用したものは再利用しない運用が推奨されています。

レベル2(保温材・耐火被覆材の除去)に必要な防護服

レベル2は配管の保温材や耐火被覆材を除去する作業が対象で、レベル1ほどではないものの相応の飛散リスクがあります。防護服には不織布素材の使い捨てタイプが広く使われています。
作業内容によっては粉じんの発生量が変動するため、現場の状況を見ながらフード付きかどうかを選ぶケースもあります。動きやすさと防護性能のバランスを考えた製品選びが求められるでしょう。
レベル2でも使い捨てが基本とされていますが、短時間の点検作業などでは洗浄後の再使用が検討される場合もあります。

レベル3(成形板などの除去)に必要な防護服

レベル3はスレート板や成形板などの除去作業が対象で、レベル1・2と比べると飛散のリスクは低めとされています。そのため防護服も簡易的なものでよいとされるケースが多く見られます。
とはいえ、繊維が全く飛散しないわけではないため、簡易防護服であっても袖口や裾のフィット感には気を配る必要があります。作業時間や範囲によっては使い捨てを選ぶ現場もあれば、洗濯して繰り返し使う現場もあるようです。
現場ごとにリスクアセスメントを行い、必要な防護レベルを判断することが求められます。

使い捨てか洗濯可か|レベルで異なる判断基準

使い捨てにするか洗濯して再利用するかは、汚染の程度と防護服の素材によって判断が分かれます。以下のポイントを目安にしてみてください。

  • レベル1・2の高リスク作業は原則として使い捨て
  • レベル3の低リスク作業は洗濯・再利用が検討可能
  • 不織布素材は基本的に洗濯に向かない
  • 目に見える汚染や破損があれば即座に廃棄する

迷ったときは「この作業着をもう一度着たいと思えるか」を基準に考えると、判断がしやすくなるかもしれません。安全性を最優先し、少しでも不安がある場合は使い捨てを選ぶ方が安心です。

ロゴ

現場で守るべき着脱・移動・廃棄のルール

現場で守るべき着脱・移動・廃棄のルール

防護服を正しく着るだけでなく、脱ぐときの手順や廃棄方法まで含めて初めてアスベスト対策は完成します。汚染区域から出るときの動線と、脱いだ作業着の処理方法を確認していきましょう。

汚染区域から出るときの脱衣手順

アスベスト作業では、汚染区域(作業エリア)と非汚染区域(清浄エリア)を明確に分け、その間に前室と呼ばれる緩衝スペースを設けるのが基本です。前室で防護服を脱ぐことで、繊維を非汚染区域に持ち込まないようにします。

脱衣の手順は次のような流れになります。

  1. 汚染区域内で粉じんを払い落とす(可能であれば集じん機を使用)
  2. 前室で手袋・靴カバーを先に外す
  3. 防護服本体を裏返すようにして脱ぐ
  4. フードやマスクを最後に外す
  5. 非汚染区域に入る前に手洗い・洗顔を行う

この順番を守ることで、皮膚や衣服への繊維付着を最小限に抑えられます。慣れないうちは手順を紙に書いて前室に貼っておくのもおすすめです。

脱いだ作業着の廃棄物としての処理方法

使い終わった防護服は、一般ゴミとして処分することはできません。アスベストが付着した作業着は「特別管理産業廃棄物」に該当する場合があり、専用の袋に密閉したうえで飛散防止処理を行う必要があります。
具体的には、二重の袋に入れて口をしっかり縛り、湿らせることで繊維の飛散を防ぐ方法が一般的です。処理を委託する場合は、産業廃棄物処理業者との契約や環境省の石綿飛散防止対策マニュアルに沿った運用が求められます。
廃棄までの流れを事業所内でマニュアル化しておくと、担当者が変わっても対応にばらつきが出にくくなりますよ。

まとめ

まとめ

アスベスト作業着の規定は、レベル1〜3で求められる防護服の性能が異なり、使い捨てか洗濯可かの判断も作業リスクに応じて変わってきます。石綿障害予防規則と令和2年改正の内容を踏まえ、脱衣手順や廃棄方法まで一連の流れとして押さえておくことが大切です。現場ごとにリスクを見極めながら、必要な装備と運用フローを整えていきましょう。日々の小さな確認の積み重ねが、働く人の健康を守ることにつながります。

アスベスト 作業着 規定についてよくある質問

アスベスト 作業着 規定についてよくある質問

アスベスト作業着は必ず使い捨てにしないといけませんか?

レベル1・2の高リスク作業では使い捨てが原則ですが、レベル3の低リスク作業では洗濯・再利用が認められる場合があります。汚染の程度や素材によって判断してください。

一般家庭の改修工事でも規制の対象になりますか?

石綿を含む建材が使われている場合は、規模の大小にかかわらず石綿障害予防規則の対象となることがあります。事前調査を必ず行いましょう。

防護服はどこで購入できますか?

作業用品専門店や安全用品の通販サイトで購入できます。オリジナル作業着を制作している業者に相談すれば、現場に合った仕様で作ってもらうことも可能です。

防護服を脱ぐときに一番注意すべき点は何ですか?

汚染区域から非汚染区域へ移動する際、前室でしっかり粉じんを払い落としてから脱衣することです。手順を飛ばすと繊維の持ち出しにつながります。

脱いだ作業着はどのように廃棄すればいいですか?

特別管理産業廃棄物として扱われる場合があるため、二重袋に密閉し、専門の産業廃棄物処理業者に委託して処分してもらいましょう。