作業着の撥水加工で雨天現場の不快感を解消する方法

雨の日の現場作業で、ずぶ濡れになった経験はありませんか?作業着の撥水加工は、そんな悩みを解消してくれる頼もしい機能のひとつです。この記事では、撥水加工の仕組みや防水との違い、フッ素系・シリコン系の特徴、洗濯後の持続性、そしてオリジナル作業着として発注する方法まで、購入前に知っておきたい基礎知識をまるごとお伝えします。
目次
作業着の撥水加工とは?防水との違いをわかりやすく解説

撥水加工と防水は似て非なる機能です。どちらも「水に強い」イメージがありますが、その仕組みと得意な場面はまったく異なります。それぞれの特徴を正しく理解しておくことで、現場に合った作業着選びができるようになります。
撥水加工の仕組み|水をはじく理由
撥水加工とは、生地の表面に特殊なコーティングを施すことで、水滴をコロコロとはじく効果をもたらす加工のことです。
その仕組みは、生地の繊維一本一本に撥水剤を付着させ、表面の「接触角」を高くすることにあります。水との接触角が大きいほど水滴は丸まり、生地の上を転がり落ちるようになります。蓮の葉に水が乗ってぷるんとはじかれる、あのイメージに近い状態です。
撥水加工された作業着は、小雨や水はね程度であれば生地の内側まで水が浸透しにくく、衣服の重さや冷えを軽減できます。ただし、生地そのものに穴を塞ぐような加工ではないため、長時間の強い雨には対応しきれない点は押さえておきましょう。
防水と撥水の違い|どちらが雨天作業に向いている?
防水と撥水の最大の違いは、「水の侵入を完全に防げるかどうか」という点です。
防水加工は、生地に防水フィルムやコーティングを施し、水が内部へ浸透するのをほぼ完全にシャットアウトします。一方、撥水加工は生地表面で水をはじくものの、生地自体に防水性はありません。強い雨や水圧がかかると、じわじわと水が染み込む場合があります。
| 項目 | 撥水加工 | 防水加工 |
|---|---|---|
| 水の遮断 | 表面ではじく(浸透しにくい) | 内部への侵入をほぼ防ぐ |
| 通気性 | 比較的高い | 低くなりやすい |
| 価格 | 比較的リーズナブル | 高め |
| 向いている場面 | 小雨・水はね・軽作業 | 豪雨・水没リスクのある現場 |
雨天時の屋外作業では、完全防水よりも撥水加工の方が通気性を保ちやすく、蒸れにくいため快適に着用できます。作業内容や環境に応じて選ぶのがポイントです。
撥水加工の種類と特徴|フッ素系とシリコン系の違い

作業着に使われる撥水加工には、主にフッ素系とシリコン系の2種類があります。それぞれ性能やコスト感が異なるため、現場の用途や予算に合わせた選択が大切です。
フッ素系撥水加工|耐久性と撥水力のバランスが高い
フッ素系撥水加工は、フッ素樹脂を繊維表面にコーティングする方法で、現在の撥水加工の主流です。
撥水力・耐久性・油汚れへの耐性をバランスよく兼ね備えており、洗濯を繰り返しても効果が持続しやすいのが特徴です。水だけでなく油性の汚れも弾くため、食品・機械・建築など幅広い現場で重宝されています。
ただし、近年は環境への影響が指摘されているPFOA(ペルフルオロオクタン酸)を含まない「C6フッ素」や「C2フッ素」といった環境対応型も増えており、安全性と撥水性のバランスを重視した製品が広まりつつあります。撥水加工付き作業着を選ぶ際は、環境配慮型かどうかも確認しておくと安心です。
シリコン系撥水加工|コストを抑えたい場合の選択肢
シリコン系撥水加工は、シリコン樹脂を繊維に付着させる方法で、フッ素系と比べてコストが抑えられる点が魅力です。
撥水性能はフッ素系よりやや劣りますが、柔軟性が高く生地の風合いを損ないにくいという特徴があります。撥水加工後も生地がごわつきにくいため、動きやすさを重視する作業着に向いています。
ただし、耐久性や油汚れへの耐性はフッ素系に比べると低めです。洗濯回数が増えると撥水効果が落ちやすいため、定期的なメンテナンスが必要になる場面もあります。コストを抑えたい場合や、油汚れが少ない作業環境では十分に活躍できる選択肢です。
| 項目 | フッ素系 | シリコン系 |
|---|---|---|
| 撥水力 | 高い | やや低い |
| 耐久性 | 高い | やや低い |
| 油汚れへの耐性 | あり | 弱め |
| 生地の風合い | やや硬くなることも | 柔軟で自然な風合い |
| コスト | やや高め | リーズナブル |
撥水加工の作業着を選ぶときに確認すべき3つのポイント

撥水加工付きの作業着を選ぶ際には、撥水力の高さだけでなく、効果の持続性や着心地も重要な判断基準になります。ここでは、購入前に必ず確認しておきたい3つのポイントを詳しくご説明します。
撥水効果はどのくらい続く?洗濯回数の目安
作業着の撥水加工の効果は、洗濯を繰り返すことで少しずつ低下します。持続期間は使用頻度や素材・加工の種類によって大きく異なり、1ヶ月〜数年程度と幅広いのが実情です。なかには「NEO撥水」のような耐久性の高い加工では、家庭洗濯100回後も効果が持続する例もあります。作業着の撥水加工を選ぶ際は、加工の種類や耐久性にも注目してみてください。
効果が落ちてきたサインは、水がコロコロと転がらず、生地の表面にじわっと染み込むようになったとき。そのタイミングが再加工のサインです。
洗濯の仕方も耐久性に影響します。以下の点に気をつけると、撥水効果をより長持ちさせられます。
- 洗濯表示に従い、適切な設定で洗う
- 洗濯方法を適切に管理し、加工種類に合ったお手入れを心がける
- 脱水は短めにし、高温乾燥は避ける
- 乾燥後に低温アイロンまたは熱風乾燥をかけると撥水効果が復活しやすくなります
撥水加工は通気性に影響する?蒸れやすさの実態
「撥水加工すると蒸れやすくなるのでは?」と心配される方も多いですが、実際には撥水加工単体では通気性への影響は小さいとされています。
撥水加工はあくまで繊維の表面をコーティングするものであり、生地の編み目(空隙)そのものを完全に塞ぐわけではありません。そのため、適切に施工された撥水加工であれば、通気性は概ね維持されます。
一方で、防水フィルムや高密度コーティングが施された防水素材では、通気性が著しく下がるケースがあります。雨天作業での蒸れを防ぎたい場合は、撥水加工+透湿性素材(汗や水蒸気を外に逃がす素材)の組み合わせが理想的です。素材のスペック表で「透湿度」の数値を確認するのもひとつの方法です。
再撥水加工(撥水スプレー)で効果を復活させる方法
洗濯を繰り返して撥水効果が低下してきたとき、自分でも比較的簡単に効果を復活させることができます。
最もてがるな方法が市販の撥水スプレーを使うことです。手順は以下のとおりです。
1. 作業着をよく洗濯し、汚れを落とした状態にする
2. 生地が乾いた状態または少し湿った状態で、20〜30cm離してスプレーを均一に吹きかける
3. 自然乾燥させるか、低温のドライヤーまたはアイロン(あて布必須)で熱を加える
熱を加えることで撥水剤が繊維に定着しやすくなるため、仕上げのひひひ一手間が大切です。
また、クリーニング店での「再撥水加工サービス」を利用する方法もあります。専門の薬剤で処理してもらえるため、スプレーよりも効果が持続しやすいのが利点です。定期的なメンテナンスを取り入れることで、撥水加工付き作業着を長くコンディションよく使い続けられます。
撥水加工対応のオリジナル作業着を作る方法

自社ロゴや社名を入れた撥水加工付きのオリジナル作業着は、ユニフォームとしての統一感と機能性を同時に叶えられます。ここでは、素材・アイテムの選び方から発注の流れ、費用感まで順を追ってご説明します。
オリジナル作業着に撥水加工を施せる素材・アイテムの種類
撥水加工はすべての素材に対応できるわけではなく、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維との相性が特に高いとされています。これらの素材は繊維が均一で撥水剤が定着しやすく、加工後の耐久性も出やすい特徴があります。
綿混素材にも撥水加工は施せますが、合成繊維と比べると効果が落ちやすい傾向があります。機能性を重視するなら、ポリエステル混紡素材の作業着を選ぶのがおすすめです。
撥水加工を施せる主なアイテムは以下のとおりです。
- ブルゾン・ジャケット類:雨天作業での着用頻度が高く、撥水加工との相性◎
- カーゴパンツ・作業パンツ:泥はねや水たまりへの対応に有効
- ベスト・チョッキ:軽作業や屋外での補助的なアウターとして
- つなぎ(オーバーオール):全身カバーが必要な現場に
ロゴ・社名入りで発注する手順と流れ
オリジナル作業着を撥水加工で発注するときは、以下のようなステップで進めるのが一般的です。
1. 業者選定・問い合わせ:撥水加工対応のオリジナル作業着を扱う業者に問い合わせる
2. アイテム・素材の選択:用途や現場環境に合わせて素材・デザインを選ぶ
3. デザインデータの入稿:ロゴや社名のデータ(AIやPDF形式が多い)を業者に提出する
4. 見積もり・サンプル確認:枚数・加工内容をもとに見積もりを取り、必要に応じてサンプルを確認する
5. 発注・製作:内容に合意後、本発注して製作開始
6. 納品・検品:届いた商品の品質・数量を確認する
デザインデータを持っていない場合でも、業者によってはロゴ作成や文字入れのデザインサポートを提供しているところもあります。日本被服工業株式会社のように、専門のスタッフが丁寧にサポートしてくれる業者を選ぶと安心です。
費用の目安|枚数・加工内容別のコスト感
オリジナル作業着の費用は、素材・アイテム・プリント方法・枚数によって大きく異なります。撥水加工が標準で施されている生地を使う場合は、別途加工費がかからないケースも多いです。
以下は一般的な費用の目安です。
| 内容 | 目安費用(1枚あたり) |
|---|---|
| 撥水対応ブルゾン(無地) | 3,000〜8,000円程度 |
| 刺繍(ロゴ・社名) | +500〜2,000円程度 |
| シルクスクリーンプリント | +300〜1,500円程度 |
| 転写プリント(小ロット向け) | +200〜1,000円程度 |
枚数が多くなるほど1枚あたりの単価が下がるため、まとめて発注するとコストを抑えられます。10枚以上から対応可能な業者が多く、30枚・50枚以上でさらに割安になるケースもあります。
まずは複数の業者に見積もりを依頼して比較することをおすすめします。
雨天・水回り現場での撥水作業着の活用シーン

撥水加工付きの作業着は、どんな現場で特に力を発揮するのでしょうか。代表的な活用シーンをご紹介します。
屋外建設・土木現場では、突然の雨や地面からの水はねに常にさらされます。撥水加工された作業着なら、小雨程度であれば生地が濡れにくく、体が冷えるのを抑えられます。重くなりにくいため動きやすさも維持できます。
農業・園芸作業では、朝露や散水作業による衣服の濡れが日常的に起こります。撥水加工のブルゾンやパンツを着用することで、作業中の不快感を大幅に軽減できます。
食品・厨房関連の現場では、水はねや液体飛散が多く、撥水加工の作業着は衛生面でも有効です。水や油汚れが表面で弾かれるため、染み込みにくく洗濯もしやすくなります。
清掃・水回りメンテナンスの現場では、床の水気や洗浄水が常に飛び散る環境です。撥水加工された作業着はこういった場面でも実力を発揮し、作業員の快適性を守ります。
配達・物流の屋外業務でも、雨天時に作業着が濡れにくいことは安全性と体調管理の両面から重要です。撥水加工に加えて視認性の高い反射材付きデザインと組み合わせると、より安全な仕様になります。
このように、水や雨にさらされやすい現場であれば業種を問わず、撥水加工付き作業着の導入メリットは大きいといえます。
まとめ

この記事では、作業着の撥水加工について基礎知識から活用方法まで幅広くお伝えしました。
撥水加工は、繊維の表面をコーティングして水をはじく機能を持ちます。防水とは異なり通気性を保ちやすく、雨天作業でも快適に着用できる点が大きな魅力です。加工の種類はフッ素系とシリコン系があり、用途や予算に合わせて選ぶのがポイントです。
撥水効果は洗濯回数とともに低下しますが、撥水スプレーや再加工によって復活させることもできます。また、自社ロゴや社名を入れたオリジナル作業着として発注することも可能で、まとめて発注することでコストを抑えられます。
現場の環境に合った撥水作業着を上手に取り入れて、雨や水に強い快適な作業環境を整えてみてください。
作業着 撥水 加工についてよくある質問

- 撥水加工と防水加工はどう違いますか?
- 撥水加工は繊維の表面で水をはじく加工で、通気性を保ちながら小雨や水はねに対応します。防水加工は水の浸透をほぼ完全に防ぎますが、通気性が低下しやすい点が異なります。屋外の軽作業なら撥水加工、水圧がかかるような環境なら防水加工が向いています。
- 撥水加工の効果はどのくらいの期間(洗濯回数)持ちますか?
- 一般的に、フッ素系撥水加工で20〜30回程度、シリコン系で10〜15回程度の洗濯が目安です。柔軟剤の使用を避け、洗濯後に低温アイロンをかけるなどのケアで効果を長持ちさせることができます。
- 撥水加工は蒸れやすくなりますか?
- 撥水加工単体では通気性への影響は小さいため、大きく蒸れやすくなることはありません。ただし、防水フィルムや高密度コーティングとの組み合わせでは蒸れやすくなる場合があります。透湿性素材との組み合わせで快適性を高めることができます。
- オリジナル作業着に自社ロゴを入れて発注することはできますか?
- はい、可能です。刺繍・シルクスクリーンプリント・転写プリントなどの方法でロゴや社名を入れられます。多くの業者が10枚以上の小ロットから対応しており、枚数が増えるほど1枚あたりの単価が下がります。
- 撥水効果が落ちてきたとき、自分で復活させる方法はありますか?
- 市販の撥水スプレーを使うことで手軽に効果を復活させることができます。洗濯後に清潔な状態でスプレーし、低温のアイロン(あて布使用)やドライヤーで熱を加えると撥水剤が繊維に定着しやすくなります。クリーニング店の再撥水加工サービスを利用する方法もあります。
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