作業着エコマーク認証の基準と導入手順を解説

「作業着をエコマーク認証の製品に切り替えたいけれど、何からはじめればいいの?」そんな疑問を持つ総務・購買担当者の方や経営者の方に向けて、この記事ではエコマーク認証の基本から取得基準、導入の進め方までをわかりやすく解説します。SDGs対応やグリーン調達方針の強化が求められる今、作業着の環境認証は企業の信頼性を高める大切な手段のひとつです。
目次
作業着のエコマーク認証とは?一言でわかる基本まとめ

「エコマーク認証」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな仕組みなのかはあまり知られていないことも多いですよね。ここではエコマーク認証の基本的な仕組みと、作業着にエコマークが付いている意味についてご説明します。
エコマーク認証の仕組みと運営主体
エコマーク認証とは、環境への負荷が少ない製品・サービスに対して与えられる日本の環境ラベル制度です。公益財団法人日本環境協会が運営しており、経済産業省・環境省からも支援を受けた信頼性の高い第三者認証機関として機能しています。
認証を受けるためには、製品ごとに設けられた「エコマーク商品類型」と呼ばれる基準をクリアする必要があります。審査は書類審査と製品試験のふたつのステップで行われ、基準を満たした製品だけが環境配慮製品として認定されます。認証の有効期間は原則3年で、更新審査を経ることで継続して使用できます。
衣料品・繊維製品に関しては「商品類型No.108(繊維製品)」として審査基準が定められており、作業着もこのカテゴリに含まれます。詳しい基準は日本環境協会エコマーク事務局の公式サイトで確認できます。
作業着にエコマークが付いている意味
作業着にエコマークが付いているということは、素材の調達から製造・廃棄にいたるまでの環境負荷が一定の基準以下であると、第三者機関によって認められた証です。「なんとなくエコっぽい」ではなく、客観的な基準に基づいた保証があることが最大の意味といえます。
具体的には、使用する染料・助剤などの化学物質の制限、再生繊維やオーガニックコットンなどの環境配慮素材の使用、製造工程での水質汚濁防止といった条件をクリアしています。このように、エコマーク付き作業着を選ぶことは、単に「環境に優しい」というイメージ訴求にとどまらず、サプライチェーン全体でのサステナビリティ対応を実証する根拠にもなります。
なぜ今、作業着にエコマーク認証が求められるのか

以前は作業着の選定基準といえば、耐久性・機能性・コストが中心でした。しかし近年は、環境への配慮が企業評価の重要な軸となり、ユニフォームの選び方にも変化が生まれています。その背景と、関連する制度についてみていきましょう。
SDGs・CSR対応でユニフォームが見直されている背景
2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)をきっかけに、多くの企業がCSR(企業の社会的責任)活動の強化に取り組んでいます。なかでも注目されているのが、日常的に使うものをいかに環境配慮型に切り替えるかという視点です。
作業着は従業員全員が毎日着用するため、まとまった枚数を継続的に購入・廃棄するサイクルが生まれます。そのぶん環境負荷も大きく、エコマーク認証付き作業着への切り替えは、目に見えやすい形で環境配慮の取り組みをアピールできる施策として注目されています。取引先や投資家からESG(環境・社会・ガバナンス)への対応を求められている企業では、ユニフォームの見直しが優先的なアクションのひとつになっているケースも増えています。
グリーン調達やグリーン購入法との関係
グリーン調達とは、原材料の調達段階から環境への影響を考慮し、環境負荷の少ない製品やサービスを優先的に選ぶ購買活動のことです。国が定めるグリーン購入法(環境物品等の調達の推進等に関する法律)は、国や地方公共団体に対して環境配慮製品の優先購入を義務づけており、民間企業にも努力義務として推奨されています。
エコマーク認証はグリーン購入法の「特定調達品目」に関連する基準のひとつとして参照されており、エコマーク付き作業着はグリーン調達方針に沿った選定対象として認識されやすいです。自社でグリーン調達ガイドラインを策定している企業では、「エコマーク認証取得済みであること」を仕入れ条件に盛り込むケースも珍しくありません。
エコマーク認証を取得するための基準・条件

エコマーク認証の取得には、素材や製造工程に関するさまざまな条件をクリアする必要があります。また、エコマーク以外にも複数の環境認証制度が存在します。それぞれの特徴を正しく理解しておくことが、適切な製品選定につながります。
素材・製造工程に関する主な審査基準
繊維製品(作業着を含む)のエコマーク認証を取得するためには、以下のような審査基準をクリアする必要があります。
| 審査カテゴリ | 主な基準内容 |
|---|---|
| 素材・原料 | 再生繊維・オーガニック素材の使用割合、有害化学物質の不使用 |
| 染色・仕上げ工程 | 禁止染料・助剤の不使用、排水処理基準の遵守 |
| 製品の安全性 | 残留有害物質の基準値クリア(ホルムアルデヒドなど) |
| 包装・梱包 | 過剰包装の禁止、再生可能素材の使用 |
| 環境マネジメント | ISO 14001などの取得、または同等の環境管理体制 |
特に注目したいのは、製品の安全性に関する基準です。ホルムアルデヒドやASOアゾ染料など、人体や環境に有害とされる物質の含有が厳しく制限されており、着用する作業者の安全にも配慮した認証になっています。
申請費用は製品の年間売上規模などによって異なります。詳しくはエコマーク事務局にお問い合わせください。
エコマーク以外の主要な環境認証との違い(エコテックス・ブルーサインなど)
作業着に関連する環境認証はエコマークだけではありません。代表的な認証制度を比較してみましょう。
| 認証名 | 運営主体 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| エコマーク | 日本環境協会(日本) | 繊維製品全般 | 日本独自の第三者認証。グリーン購入法との親和性が高い |
| エコテックス(OEKO-TEX) | 国際機関(スイス) | 繊維・染色製品 | 有害物質の残留基準に特化。世界100カ国以上で認知 |
| ブルーサイン(bluesign) | ブルーサイン・テクノロジーズ(スイス) | 繊維の製造工程 | 製造工場の環境・安全・化学物質管理を包括的に評価 |
| GRS(グローバルリサイクル規格) | 控除団体(米国) | リサイクル素材製品 | 再生素材の含有率と管理体制を認証 |
エコマークが日本市場向けの環境対応の証明として機能するのに対し、エコテックスやブルーサインはグローバルな取引でも通用する認証です。自社の取引先や調達方針によって、どの認証を優先すべきかが変わります。複数の認証を組み合わせて取得している作業着メーカーも存在します。
エコマーク認証付き作業着を選ぶと何が保証されるか

「エコマークが付いていれば何が変わるの?」という疑問はとても自然です。認証の有無によって具体的に何が保証されるのか、そして企業にとってどんなメリットがあるのかを整理しておきましょう。
認証ありと認証なしで何が変わるか
認証なしの作業着でも「環境配慮型」と表示されている製品はあります。しかし、その根拠が自社の主張のみである場合、第三者によるチェックが入っていないため客観的な信頼性には限界があります。
一方、エコマーク認証付き作業着が保証するのは次のような点です。
- 有害化学物質が規定値以下であること(作業者の安全性)
- 環境負荷の少ない素材・製造工程であること(環境への配慮)
- 第三者機関による定期的な更新審査があること(継続的な品質保証)
- 申請・審査内容が公開されており透明性があること(エビデンスの提示が可能)
このように、エコマーク認証は「言葉だけのエコ」ではなく、具体的な基準に基づく保証として機能します。CSR報告書や取引先への説明資料として活用できる点も、企業にとって大きな実務上のメリットです。
企業イメージ・対外的な信頼性への効果
エコマーク認証付きの作業着を採用することは、企業のサステナビリティへの本気度を社内外に示す、わかりやすいシグナルになります。
具体的な効果として期待できるのは以下の点です。
- 顧客・取引先への信頼性向上: グリーン調達方針を持つ取引先からの評価アップ
- 採用・ブランディングへの貢献: 環境意識の高い人材へのアピール
- CSR・統合報告書への記載: 具体的な取り組み事例として数値・根拠を持って報告可能
- 入札・公共調達での優位性: グリーン購入法対応製品の使用実績としてアピール
「制服を変えただけでそこまで変わる?」と思われるかもしれませんが、目に見えるもので行動を示すことが、環境配慮の取り組みをステークホルダーに伝える最も直感的な方法のひとつです。毎日着用する作業着だからこそ、社員一人ひとりの意識にも自然と働きかける効果があります。
エコマーク認証済み作業着の選び方・導入の進め方

実際に環境認証付きの作業着を導入するには、どんなステップを踏めばよいのでしょうか。グリーン調達方針に沿った選定の流れと、オリジナル作業着として発注する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
グリーン調達方針に基づく選定ステップ
エコマーク認証付き作業着を導入する際は、以下のステップで進めると整理しやすいです。
1. 自社の調達方針を確認・策定する
グリーン調達ガイドラインがある場合はその基準を確認。ない場合はこの機会に策定を検討しましょう。
2. 必要な認証の種類を絞り込む
国内向けにはエコマーク、グローバル取引が多い場合はエコテックスやブルーサインも視野に入れます。
3. エコマーク認定製品リストで候補を探す
エコマーク認定商品データベースから繊維製品を絞り込み、作業着に該当する製品をリストアップします。
4. メーカー・サプライヤーに問い合わせる
認証の有効期限・更新状況・カスタマイズ対応の可否を確認します。
5. サンプル確認・社内承認を経て発注
実際に着用してサイズ感や機能性を確認した上で、正式な発注を進めます。
調達担当者として社内稟議を通す際には、認証取得の根拠資料(エコマーク認定証のコピーなど)を添付すると、承認が得やすくなります。
オリジナル作業着として発注する際のポイント
会社名やロゴを入れたオリジナル作業着を制作する場合、以下のポイントを確認しておくことが大切です。
- 使用素材がエコマーク認証対応かどうか: 生地単体での認証と、完成品での認証は異なります。完成品としての認証取得状況を必ず確認しましょう。
- カスタマイズ(刺繍・プリント)が認証に影響しないか: 一部の加工方法は認証基準に影響する場合があります。メーカーへの事前確認が必須です。
- 最低発注数量と納期: 環境配慮素材は生産量が限られる場合があり、通常より納期がかかることも。余裕を持ったスケジュール設定を。
- 認証表示のルール: エコマークロゴを作業着や販促物に使用する場合、日本環境協会の定めるガイドラインに従う必要があります。
日本被服株式会社(nihonhifuku.jp)のようなオリジナル作業着の制作会社では、環境配慮素材を使ったカスタム対応についても相談に乗ってもらえます。「エコマーク対応素材で自社ロゴ入りの作業着を作りたい」と率直に相談してみてください。
まとめ

この記事では、作業着のエコマーク認証について基本的な仕組みから取得基準、導入の進め方まで解説しました。
エコマーク認証は、日本環境協会が運営する第三者認証であり、素材・製造工程・安全性など複数の厳しい基準をクリアした製品に与えられます。SDGsへの対応やグリーン購入法との関係から、企業が作業着を見直す動きは今後さらに広がりそうです。
認証の有無によって、客観的な環境対応の根拠として活用できるかどうかが大きく変わります。CSR報告書や取引先への説明資料として使えるエビデンスを持つためにも、エコマーク認証済み作業着の導入はひとつの有効な選択肢です。
オリジナル作業着の制作を検討されている方は、環境配慮素材への対応可否もあわせてメーカーへ確認してみてください。
作業着 エコ マーク 認証についてよくある質問

- エコマーク認証の費用はどのくらいかかりますか?
- 申請費用はメーカーの規模や製品の年間売上規模によって異なります。エコマーク事務局では「申請手数料(審査料)」と「認定料(ライセンス料)」が必要で、詳細はエコマーク事務局の公式サイトで確認いただけます。中小企業向けの割引制度が設けられている場合もあります。
- 作業着の購入者(企業)がエコマーク認証を取得することはできますか?
- エコマーク認証は製品を製造・販売するメーカー(申請者)が取得するものです。購入する企業が直接申請することは基本的にできません。購入側は認証取得済みの製品を選ぶことで、グリーン調達の実績として活用できます。
- エコマーク認証とエコテックスはどちらを選ぶべきですか?
- 国内の取引・行政調達を主に意識するならエコマークが適しています。海外取引や繊維の化学物質安全性をより重視する場合はエコテックス(OEKO-TEX)が有効です。自社の取引先や調達方針に合わせて選ぶとよいでしょう。
- オリジナルデザインの作業着でもエコマーク認証の素材を使えますか?
- 使用する生地がエコマーク認証対応であれば、刺繍やプリントなどのカスタマイズを加えたオリジナル作業着にも対応できる場合があります。ただし、完成品としての認証取得状況やカスタマイズによる基準への影響は、発注先メーカーへ事前に確認することが大切です。
- エコマーク認証付きの作業着は通常の作業着より高いですか?
- 一般的には、認証取得のための審査コストや環境配慮素材のコストが上乗せされるため、同等スペックの非認証品より若干高くなる傾向があります。ただし、大量発注や長期契約によってコストを抑えられるケースもあるため、まずはメーカーに見積もりを依頼してみることをおすすめします。
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