ジェンダーレスデザインの作業着で職場を変えるヒント

「男女別の作業着では、サイズが合わない」「性別に関係なく着られるユニフォームにしたい」——そんな声が職場から上がってきたとき、注目したいのがジェンダーレスデザインの作業着です。この記事では、ユニセックスな作業着の基本的な考え方から、パターン設計・サイズ展開・カラーリングのポイント、オリジナル製作の流れまでをわかりやすく解説します。DEI推進や従業員満足度向上を考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
作業着のジェンダーレスデザインとは?男女どちらでも着られる作業着の基本

ジェンダーレスデザインの作業着とは、男女どちらが着ても違和感なく機能する、性別を問わないユニフォームのことです。単に「男女兼用」にするだけでなく、多様な体型・価値観に対応するデザイン設計が求められます。
ジェンダーレスデザインの作業着が注目される理由
近年、職場のダイバーシティが進む中で、作業着のジェンダーレスデザインへの関心が急速に高まっています。その背景には、女性の現場進出の増加や、性別にとらわれないライフスタイルを選ぶ従業員の存在があります。
従来の男女別ユニフォームでは、「女性用サイズでは動きにくい」「男性用は体型に合わない」といった不満が生じやすく、着心地や安全性に影響が出るケースも少なくありません。ユニセックスな作業着を導入することで、こうした問題を解消し、誰もが快適に働ける環境を整えることができます。
また、SDGsやDEI(多様性・公平性・包括性)への意識が高まる中、ジェンダーニュートラルなユニフォームは企業姿勢を示すツールとしても注目されています。
従来の男女別作業着との違い
従来の男女別作業着は、体型差を前提に設計されていました。男性用は肩幅・胸囲が広め、女性用はウエストにシェイプが入るなど、シルエットが大きく異なります。一方、ジェンダーレスデザインの作業着は、こうした性差を最小限に抑えたストレートシルエットを基本とし、どんな体型にもフィットしやすいパターンで設計されます。
以下に、主な違いをまとめました。
| 項目 | 従来の男女別作業着 | ジェンダーレス作業着 |
|---|---|---|
| シルエット | 男女で異なる | 直線的・中性的なシルエット |
| サイズ展開 | 男性用・女性用で別ライン | SS〜5L・6L・8Lなど幅広い統一ライン(一部レディースシルエット併用) |
| カラー | 男性用・女性用で色分けあり | 男女共通カラー中心(一部配色入りデザインあり) |
| 管理 | 男女別に在庫が必要 | 一本化で管理しやすい |
ジェンダーレス設計では、ウエストの絞りをなくし、着丈や袖丈を調整しやすい仕様にすることが多く、体型を問わず動きやすいのが特徴です。ただし、製品によってはレディースシルエットの品番を併用しているケースもあるため、実際の展開は幅広く、多様な設計が見られます。
ジェンダーレス作業着を導入すべき3つの理由

ジェンダーレスデザインの作業着には、従業員の働きやすさだけでなく、コスト面や企業イメージの面でもメリットがあります。ここでは、導入を検討する理由として特に重要な3つのポイントをご紹介します。
多様な従業員が働きやすい環境づくりにつながる
ジェンダーレスな作業着の最大のメリットは、性別や体型に関係なく、全員が快適に働ける環境をつくれることです。男女問わず同じユニフォームを着ることで、職場における見た目の「性別による線引き」がなくなり、チームとしての一体感も生まれやすくなります。
特に製造・物流・介護・建設など、さまざまな体型の人が混在する現場では、「自分に合うサイズがない」「動きにくくて仕事に集中できない」という声は従業員満足度を下げる原因になりがちです。ユニセックス作業着は、こうした不満を解消し、安心して業務に集中できる環境を整えることに直結します。
従業員が「自分らしくいられる職場」と感じられることは、定着率の向上にもつながる大切な要素です。
ユニフォーム管理のコスト・手間が減らせる
男女別のユニフォームを管理していると、男性用・女性用それぞれの在庫を抱える必要があり、管理コストや発注の手間が増えてしまいます。異動や採用のたびにサイズや性別ごとの在庫を確認するのは、担当者にとって地道な負担です。
ジェンダーレス作業着であれば、サイズラインを一本化できるため、在庫管理がシンプルになります。急な採用や体型変化にも柔軟に対応できるほか、余剰在庫のリスクも軽減できます。
また、ユニセックスデザインで統一することで、1回の発注ロット数をまとめやすくなり、1着あたりのコスト削減にもつながるケースがあります。
企業のDEI推進姿勢を対外的に示せる
ジェンダーレスデザインの作業着は、DEI(Diversity・Equity・Inclusion)を推進する企業姿勢を、言葉だけでなく「見える形」で示せるという点でも大きな意義があります。ユニフォームは毎日着用されるものであり、社内外に企業の価値観を発信するツールになります。
取引先や求職者が職場を訪れたとき、ジェンダーニュートラルなユニフォームは「多様性を尊重している企業」という印象を自然に与えます。特に若い世代の求職者の間では、DEIへの取り組みが就職先を選ぶ際の重要な基準になっていることも多く、採用ブランディングにも効果的です。
「伝えたい価値観を、デザインで語る」——そんな発想でユニフォームを選ぶ企業が増えています。
ジェンダーレス作業着のデザインで押さえるべきポイント

ジェンダーレスデザインの作業着を成功させるには、シルエット・サイズ・カラーという3つの要素を丁寧に設計することが大切です。それぞれのポイントをひとつずつ確認しましょう。
男女どちらにも合うシルエット・パターン設計の考え方
ジェンダーレス作業着の核心は、男女どちらの体型にも対応できる「中間のシルエット」を設計することです。具体的には、ウエストの絞りをなくしたボックスシルエットや、肩の傾斜(肩傾斜角)を男女の中間値に設定したパターンが基本となります。
ポイントとなる設計要素は以下の通りです。
- 肩幅・肩傾斜:男女の平均的な肩の形に合わせた傾斜角を設定
- 身幅・着丈:窮屈にならず、かつダボつきすぎない適度なゆとり量を確保
- 袖口・裾の仕様:調節しやすいリブや絞り仕様にして、体型差に対応
- 前立て(ボタン・ジッパー位置):男女どちらにも使いやすい中央配置を基本とする
「ゆとりを持たせすぎると安全性が下がる」という懸念もありますが、ストレッチ素材や立体裁断を組み合わせることで、動きやすさと安全性を両立させることができます。
多様な体型に対応するユニセックスサイズの展開方法
ユニセックスサイズを展開する際は、SS・S・M・L・XL・XXL・3XLといった幅広いサイズラインを用意し、体型の個人差を吸収することが重要です。男女別サイズの場合と異なり、ひとつのサイズチャートで全員に対応できるよう設計します。
具体的には、以下のような考え方でサイズ展開を設計します。
- 身長・バスト・ウエスト・ヒップなど複数の部位を計測し、サイズ表を作成する
- 標準体型だけでなく、体格差の大きい方も着られるよう、SSと3XLの両端まで設定する
- サイズ選びの迷いをなくすため、試着会やサンプル貸し出しを活用する
また、数値だけではなく実際に着てみて確認することが大切です。サンプルを複数サイズ取り寄せ、現場スタッフに試着してもらうことで、実態に合ったサイズ設計が可能になります。
中性的で機能的なカラーリングの選び方
ジェンダーレス作業着のカラー選びでは、男女どちらにも合う中性的なトーンを選ぶことが基本です。ネイビー・グレー・カーキ・チャコール・オフホワイトなどのアースカラーやモノトーン系は、性別問わず着こなしやすく、現場での視認性や清潔感も確保しやすいのが特徴です。
機能面では、以下の点も合わせて考慮しましょう。
- 汚れが目立ちにくい色:製造・物流・飲食など業種に合わせた色選び
- 反射材や蛍光カラーとの組み合わせ:安全性を高める配色設計
- 企業カラーとの調和:コーポレートカラーをさりげなく取り入れた中性的な配色
「おしゃれすぎず、無機質すぎない」絶妙なバランスのカラーリングが、着用者の満足度を高めるポイントです。ロゴや配色で企業らしさを出しながら、ジェンダーニュートラルな雰囲気を保つデザインを目指しましょう。
オリジナルのジェンダーレス作業着を製作する流れ

オリジナルのジェンダーレス作業着を製作するには、デザインイメージの整理から始まり、業者との打ち合わせ、サンプル確認、本発注という段階を踏みます。それぞれのステップを丁寧に進めることが、満足のいく仕上がりへの近道です。
デザインイメージの整理と業者への伝え方
オリジナル作業着の製作をスムーズに進めるためには、依頼前にデザインイメージを具体的に整理しておくことがとても大切です。「なんとなくこんな感じ」では業者に伝わりにくく、イメージとかけ離れた仕上がりになってしまうことも。
事前に準備しておくと良い情報は以下の通りです。
- 希望のシルエット・デザイン:参考にしたい既製品の画像や、スケッチでもOK
- 使用する業種・現場環境:屋外・屋内、汚れやすい現場かどうかなど
- 素材の希望:ストレッチ性、撥水加工、吸汗速乾など機能面のニーズ
- カラーイメージ:コーポレートカラーや希望のトーン
- サイズ展開の範囲:従業員の体型分布を参考に必要なサイズを整理
- ロゴ・ネーム刺繍の有無:入れる位置や大きさの希望
これらをまとめた「デザイン要件シート」を作成しておくと、業者との打ち合わせがスムーズになります。日本被服工業株式会社のような専門メーカーに相談する際も、この情報があると的確な提案を受けやすくなります。
サンプル確認から本発注までのステップ
デザインイメージが固まったら、いよいよ製作のステップへ進みます。一般的な流れは以下のようになります。
1. 業者への相談・見積もり依頼:希望内容を伝え、製作可否と費用感を確認する
2. デザイン確認:業者が作成したデザイン案(デザイン画・CADデータ)を確認・修正する
3. サンプル製作:実物サンプルを1〜数着製作してもらい、着用感・仕上がりを確認する
4. 試着・フィードバック:現場スタッフ複数名に試着してもらい、サイズ感や動きやすさを確認する
5. 仕様の最終確認・修正:細部の修正を行い、最終仕様を確定させる
6. 本発注・製造開始:枚数・サイズ内訳を確定し、正式発注する
7. 納品・検品:届いた製品を確認し、問題がなければ現場への配布・導入へ
サンプル段階でしっかり確認しておくことが、後のトラブルを防ぐ一番のポイントです。「サンプルはOKだったのに、本発注品はイメージと違った」ということにならないよう、確認項目を事前にリスト化しておくことをおすすめします。
導入前に確認しておきたい従業員への配慮事項

ジェンダーレス作業着を職場に導入する際には、デザインや製作だけでなく、従業員への丁寧なコミュニケーションと移行期間の整備が成功のカギを握ります。現場スタッフが安心して新しいユニフォームを受け入れられるよう、事前の準備を大切にしましょう。
現場スタッフへの事前説明と意見収集の進め方
ジェンダーレスデザインへの切り替えは、従業員にとって大きな変化です。導入前に現場スタッフへの説明と意見収集を丁寧に行うことで、スムーズな移行と満足度の向上が期待できます。
具体的な進め方としては、以下のステップが効果的です。
- アンケートの実施:現行ユニフォームへの不満点、希望する機能・デザインを事前に収集する
- 説明会・試着会の開催:変更の目的と内容を説明し、実際にサンプルを試着してもらう機会を設ける
- フィードバックの反映:集まった意見をデザインや仕様に活かし、「意見が反映された」という実感を持ってもらう
特に「なぜジェンダーレスにするのか」という目的をしっかり伝えることが大切です。DEI推進や職場環境改善のためであることを明示することで、従業員の理解と共感を得やすくなります。
移行期間中の着用ルールの整備
新しいユニフォームへの切り替えは、一斉に行うのではなく、移行期間を設けて段階的に進めることをおすすめします。既存の作業着がまだ使える状態の場合、急に全員分を廃棄するのは不経済でもあります。
移行期間中に整備しておくと良いルールの例を以下に挙げます。
- 併用期間の設定:「○月○日までは旧ユニフォームも着用可」といった期限を明示する
- 着用ガイドラインの配布:新ユニフォームのサイズ選びや着こなしのポイントを資料にまとめて配布する
- 問い合わせ窓口の設置:サイズ交換や疑問点を気軽に相談できる担当者・窓口を設ける
- サイズ交換ルールの明確化:購入後に体型が変わった場合や、サイズが合わなかった場合の対応を事前に決めておく
移行期間を丁寧に設計することで、従業員の不安を取り除き、新しいユニフォームへの抵抗感をやわらげることができます。
まとめ

ジェンダーレスデザインの作業着は、単なる「男女兼用」にとどまらず、多様な体型・価値観に寄り添うユニフォームのあり方です。シルエットのパターン設計・ユニセックスサイズの展開・中性的なカラーリングという3つの要素をバランスよく設計することが、成功のポイントになります。
導入にあたっては、従業員への丁寧な説明と意見収集を行い、移行期間を設けながら無理なく切り替えることが大切です。オリジナル作業着の製作を検討している場合は、日本被服工業株式会社のような専門業者に相談しながら、職場の多様性を「見える形」で表現するユニフォームづくりを進めてみてください。
作業着 ジェンダーレス デザインについてよくある質問

- ジェンダーレスデザインの作業着は既製品でも購入できますか?
- はい、市販のユニセックス作業着も存在しますが、サイズや色の選択肢が限られることが多いです。職場全員に合うデザイン・サイズを揃えたい場合は、オリジナルで製作する方が柔軟に対応できます。専門メーカーへの相談も選択肢のひとつです。
- オリジナルのジェンダーレス作業着を製作する場合、最低発注枚数はありますか?
- 業者によって異なりますが、一般的に数十枚〜100枚程度から受け付けているケースが多いです。小ロット対応の業者もあるため、まずは希望枚数を伝えて見積もりを依頼してみましょう。
- ジェンダーレス作業着の製作期間はどのくらいかかりますか?
- デザイン確定からサンプル製作・本発注・納品までを含めると、一般的に2〜4ヶ月程度かかることが多いです。急ぎの場合は業者に納期の相談を早めに行うことをおすすめします。
- ジェンダーレスデザインにすると、機能性が下がりませんか?
- 適切な素材選びとパターン設計を行えば、機能性を損なうことはありません。ストレッチ素材や立体裁断を活用することで、男女どちらも動きやすい作業着を実現できます。機能性とデザイン性の両立が専門業者との相談で可能です。
- ジェンダーレス作業着への切り替えで、従業員から反発が出た場合はどうすれば良いですか?
- まずは変更の目的(DEI推進・働きやすい環境整備など)を丁寧に説明し、試着会を実施して着用感を実際に体験してもらうことが効果的です。移行期間を設けて段階的に切り替えることで、抵抗感を和らげることができます。
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