クリーンルームとは?どういった規格でどういう服装が必要になる?

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クリーンルームとは?どういった規格でどういう服装が必要になる?

クリーンルームとは?どういった規格でどういう服装が必要になる?

クリーンルーム」という言葉を聞いたことはありますか?

医療機器、半導体製造、精密機械加工、食品加工、化学工業など、多くの分野で必要なクリーンルームですが、明確な定義や規格、着るべき衣服については知らない方も多いでしょう。

本記事ではクリーンルームとはどういった企画の部屋なのか、その詳細や特徴、おすすめのクリーンウェアをご紹介します。

 

クリーンルームとは 

クリーンルームとは

クリーンルーム とは、空気清浄度が確保された部屋のことであり、防塵室とも言われます。

清浄度とは汚れがなく清らかな状態の程度を表すものであり、クリーンルームのキレイさを表現するために用いられる用語です。

クリーンルームの定義は、『空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、その空間に供給される材料、薬品、水やその他についても不純物、ゴミを取り除いてゴミを持ち込まないようにしようとする空間』のことを指します。

必要があれば温度や圧力、湿度などの条件についても管理を行い、総合的にその空間を要求された清浄度にします。

空気のキレイなレベルを清浄度(クラス)といって、清浄度(クラス)の示す尺度として単位体積に含まれる粒子の数で表現するのが一般的です。 

クリーンルームにおける空気清浄度を表す規格は国際統一規格であるISO規格に移行されています。

ISO規格では1m3当たりの空気中に0.1μm以上の粒子が基準になっておりISOクラス1~9までクラスを分類しております。

これまで広く慣用されている米国連邦規格(FED-STD)では、1立方フィート(約30cm四方の箱)の空気中に含まれる0.5μm以上の大きさの粒子の数がいくつかで、クリーンルームのクラス分けをしています。

クリーンルームの環境を維持するためには以下の4つの原則を守る必要があります。

異物を持ち込まない

材料、機器などは洗浄してから持ち込む。

ゴミやホコリ、チリをクリーンルーム内に持ち込まない。

エアーシャワーをしてから入退室する。

異物を発生させない

クリーン服を着用する。

発塵しやすい材料や備品は使わない。

無駄な動きはしない。

堆積させない

ゴミだまりをつくらない、清掃しやすい室内設計。

凸凹をなくす。

排除する

発塵付近で排気する。

気流を妨げるものは置かない。

 

まず、異物の持ち込みや発生を防ぐために、機器や材料は基本的に全て洗浄が必要です。

人が出入りする際はエアシャワーを浴び、ゴミや細菌などを持ち込まないよう徹底します。

さらに、異物が堆積しないよう、掃除がしやすい構造にすることも重要です。

可能な限り凹凸を少なくして、ゴミが溜まらないよう環境を整えなければいけません。

万が一、異物が入り込んだり発生したりしても排除できるよう、発塵部付近で排気を行う仕組みや、室内の気流を妨げないような構造が導入されています。

空調設備や除塵設備だけではなく、それぞれの装置を制御するための設備も必要です。

また、埃やゴミが静電気によって吸い寄せられることがないよう、除電をしたり、室圧制御をしたりするシステムも欠かせません。

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クリーンルームの2種類の気流方式

2種類の気流方式

クリーンルームは気密がとられていて、天井に設置されたHEPAフィルターやULPAフィルターなどの高性能フィルターとファンが一体化したファンフィルターユニットから、清浄な空気が供給されています。

床面や壁面の床に近い位置に排気経路を設けることで、クリーンルーム内の浮遊物を含む空気を外部に押し流しています。

また、これによりクリーンルーム内は外部よりも圧力が高い、陽圧の状態になっているため、外部からの空気が入らない構造となっています。

さらに「温度、湿度を快適な状態にして、そして外からのゴミが進入しないように室圧を制御した部屋」です。

温度、湿度を快適な状態にするため、クリーンルームの中で使用する薬材、洗浄水で部屋の中の粒子の濃度が多くならないようにしなければならないし、クリーンルーム内が暑いと、中で作業する人が汗をかくので、汗を嫌う製品の場合は、温度管理も必要になります。

外からのゴミが進入しないように部屋の圧力を制御させます。

室内の清浄な風は、その向きと速さなどの風の形状と気流の分布を、一定の範囲に制御するために設計されていまするため、大きく分けて「一方向流方式」と「非一方向流方式」があります。

 

「一方向流方式」

一方向流式のクリーンルームは、天井全体、壁一面に高性能フィルタ(HEPAフィルタ、ULPAフィルタなど)を配置することで、気流が部屋全体で一定の方向に流れます。

コンタミナントは、気流に沿って押し出されるように室外に排出されるので、コンタミナントが室内に滞留・蓄積しにくい構造です。

換気回数は200回~300回以上/hを要しますがクラス5以上の高い清浄度が形成できます。

 

「非一方向流方式」

非一方向クリーンルームは、室内の天井や壁面の一部に高性能フィルタ(HEPAフィルタ、ULPAフィルタなど)を設置し、別の一部にダクトなどの排気口を設けます。

清浄空気を室内に供給し、室内で発生したコンタミナントを希釈して排出する構造です。

一方向式クリーンルームのように、押し出して排出することが困難なので清浄度はクラス6~8と低くなりますが、一方向式クリーンルームと比較してイニシャルコストとランニングストを抑えることが可能です。

なぜクリーンルームが必要なのか

なぜクリーンルームが必要なのか

クリーンルームは、高度な清潔環境を維持するために設計された空間であり医療機器、半導体製造、精密機械加工、食品加工、化学工業など、多くの分野で必要とされます。

以下に、クリーンルームが必要な理由をいくつか挙げます。

1.製品品質の確保

クリーンルームは、微細粒子や微生物などの異物を極限まで取り除くために設計されています。

製品の品質を保つためには、製造プロセス中に異物が混入することを防止する必要があります。

2.人体への安全性確保

クリーンルームは、有害な微生物や化学物質から人体を保護することができます。

特に医療機器や薬品などの製造現場では、人体に影響を与える可能性のある微生物や化学物質を排除するためにクリーンルームが必要です。

3.法的規制

多くの業界では、クリーンルームの使用が法的に義務付けられています。

例えば、製薬業界では、製造する薬剤が厳格な規制に従う必要があります。

また、製品の品質を確保するために、クリーンルームが必要な場合もあります。

4.製品の信頼性

高度なクリーンルームは、製品の信頼性を確保するために不可欠です。

例えば、半導体製造プロセス中に異物が混入すると、製品の機能に影響を与える可能性があります。

以上のように、クリーンルームは、多くの分野で必要不可欠な要素です。

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クリーンルームではクリーンウェアが必要

クリーンルーム内での最大の汚染発生源は、です。

毛髪、汗による塩分、皮膚片など、何も対策しなければ、人が動くことで汚染が広まります。

人が活動すればほこりが立つので、最大の汚染源である作業者は働く際、クリーンルームの仕組みをしっかりと理解し、クリーン化の為にクリーンウェアを着用することが重要です。

クリーンウエアを正しく選択し適切に維持管理し、クリーンルームに関する正しい知識を習得して決められたルールを守って行動することによって、はじめて目的とするクリーン化が達成されることになります。

クリーンルームウェアの選び方

クリーンルームのレベルに合ったクリーンルームウェアを選ぶことが重要です。

半導体生産などの精密機器を製造する工場では、ナノレベルの塵をも除去することが重要になってきます。

そのために、清浄空間を作り出すことができるクリーンルームを設置することが必須となっているわけですが、この空間を作ればそれで十分というわけではありません。

というのも、工場内で作業をするためには、作業員が外から入っていくことが必要になり、その際に塵などを持ち込んでしまうことがあるからです。

特に汚染物質の元となるのが作業員の服です。

服にはホコリや汚れが付着していますし、服自体の繊維が生産活動の障害となります。

そのため、塵などの汚染物質を持たないクリーンルームウェアを着ることが欠かせないのです。

日本被服がおすすめするクリーンウェア

日本被服でおすすめしているクリーンウェアを4つご紹介します。

①FX121C/FX122C(フード一体型)   

FX121C/FX122C(フード一体型)

対応清浄度(クラス) ISO Class 5/Fed.St Class 100

新・着用快適クリーンウェア

着用者からの声から生まれた…

着用快適性重視のクリーンルーム用衣服。

 

  • 着用者の快適さを追求

クリーンルーム用衣服への要望は、「ムレない」「肌触りがよい」「ベトつかない」という素材に関するものと、「動きやすい」「衣服が突っ張らない」「窮屈でない」という衣服に関するものの2つに集約されます。これらの要望に対し真摯に考えた結論が、この「新・着用快適クリーンルーム用衣服」です。

 

  • ストレッチ衣服設計

作業に伴う身体の様々な動きを妨げないよう、高いストレッチ性を備えた素材を背面部に採用。腕の上げ下げや前屈動作に追随することでスムーズな作業をサポートします。

 

  • 高通気衣服設計

特殊断面素材“ウェーブロン®”と、適度な通気性をもつ高ストレッチ素材の採用により、「上半身がムレる」「汗をかくとベトつく」といった着用者からの声を解消しました。

②FS1207(サイドファスナー)/FS150C(センターファスナー)   

GIGATECH®ESD対策クリーンルーム用衣服

対応清浄度(クラス) ISO Class 5/Fed.St Class 100

帯電防止性能を極めた、

超制電性クリーンルーム用衣服。

 

  • EPAに対応した超制電性設計

人体帯電を取り除くことはもちろんのこと、クリーンルーム用衣服に対しても高い帯電防止性能が求められるEPA(ESD保護区域)での着用を前提とした超制電性クリーンルーム用衣服です。

 

  • 超制電性

帝人フロンティア株式会社の機能素材「ギガテック®」を使用。さまざまな用品にESD対策が必要となるEPA(ESD保護区域)においても、帯電防止性能、防塵性能ともに十分な効果を発揮します。

 

  • 防塵性、快適性も両立

制電性と同時に防塵性、通気性もキープ。高い制電性が求められる環境でも快適な作業を実現します。

③FH197C(フード一体型)  対応清浄度(クラス) 

FH197C(フード一体ツナギ服) 

ISO Class 6/Fed.St Class 1,000

カラーバリエーション4色のフード一体型ツナギ服。利点は、着脱が容易で衣服の管理が「一点」で済むということ。価格が安いだけではありません。

④FH199C  対応清浄度(クラス) 

FH199C(ツナギ服) 

ISO Class 6/Fed.St Class 1,000

徹底してコストダウンを図ったロープライスのクリーンルーム用衣服。カラーバリエーション4色で、識別管理に役立ちます。

クリーンルームに関するよくある質問

クリーンルームに関するよくある質問をご紹介します。

クリーンルームとは?

クリーンルーム とは、空気清浄度が確保された部屋のことであり、防塵室とも言われます。

清浄度とは汚れがなく清らかな状態の程度を表すものであり、クリーンルームのキレイさを表現するために用いられる用語です。

クリーンルームの定義は、『空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、その空間に供給される材料、薬品、水やその他についても不純物、ゴミを取り除いてゴミを持ち込まないようにしようとする空間』のことを指します。

クリーンルームの2種類の気流方式

クリーンルームには以下の2種類の気流方式が存在します。

  • 一方向流方式
  • 非一方向流方式

なぜクリーンルームが必要なのか

なぜクリーンルームが必要なのか、4つの理由はこちらです。

  • 製品品質の確保
  • 人体への安全性確保
  • 法的規制
  • 製品の信頼性

まとめ

今回は、「クリーンルーム」とはどういった特徴があり、どういった衣服を準備する必要があるのかを解説しました。

クリーンウェアの着用が必要になりそうな職種の方は、本記事で紹介したクリーンウェアを選んでみてはいかがでしょうか。